放電容量 設定範囲の拡大 50~15,000mAh Ver 3.73

 Ver 3.73にて放電容量の設定範囲と表示方法を以下の様に変更致します。また、放電容量設定の際に、スイッチを長押しする事で、連続して増加する設定値の増加時間間隔を200 → 50msecに変更します。結果、放電容量の設定が敏速に行える様になります。

【放電容量の設定範囲】
Ver3.72 : 50 ~ 5,000 mAh
           ↓
Ver3.73 : 50 ~ 15,000 mAh


【放電容量の表示方法】
1. 設定放電容量
9,999mAh以下 → S9999 (9,999mAhの場合。Ver3.72同様先頭ににSを表示)
10,000mAh以上 → 10000 (10,000mAhの場合。先頭のS表示は無し)

2. 放電容量
9,999mAh以下 → D9999 (9,999mAhの場合。Ver3.72同様先頭ににDを表示)
10,000mAh以上 → 10000 (10,000mAhの場合。先頭のD表示は無し)

以上

受信機および動力用リポの低電圧アラーム 仕様変更版追加 Ver.3.66 【追記有】

 受信機および動力用リポの低電圧アラームの仕様を以下の様に変更したものをVer.3.66として追加で作成の予定です。(Ver.3.65も存続します。)

【Ver.3.65】
①受信機用リポ低電圧アラーム
本回路が動作中に瞬時的に<5.3VになるとON。

②動力用リポ低電圧アラーム
モーターON時に瞬時的に<3.0V/セルになるとON。

       ↓

【Ver.3.66】
①受信機用リポ低電圧アラーム
本回路が動作中に5秒間連続して<5.3VになるとON。

②動力用リポ低電圧アラーム
モーターON時に5秒間連続して<3.0V/セルになるとON。

★Ver.3.66追加理由
主として3D用途にて急激なピッチアップ等の操作でモーター、サーボに大きな負荷が掛かった際の瞬時的な電圧降下による低電圧アラームの発生を防止します。また、BECにて5.8V程度の比較的低い電圧を本回路に印加した場合に、ピッチアップ等の操作での低電圧アラームの発生を防止します。なお、2セルのリポ(7.4~8.4V)を使用した場合、F3C用途では現行のVer.3.65で問題無いと考えられます。ちなみに当方は、低電圧アラームがONとなる条件が より厳しいVer.3.65を今後も使用していく予定です。

【追記】
 Ver.3.68にて低電圧アラーム発生までの時間 0秒 or 5秒 を設定出来るようにしました。従ってVer.3.66および3.65は不要です。
 PIC18F14K50のメモリーの残容量が少ないため、LCD表示文字数を減らしメモリーの空きを増やす事で何とか上記機能を収める事が出来ました。現状、上記機能追加後で残容量は130Byte程度です。
 放電容量の計測を1msec周期で行っておりますが、Ver.3.66以前では計測周期(ループ周期)1msecの調整をDelayコマンドで行っていたため、ループ内のプログラムを変更する度にDelayの調整が必要でした。このため、Ver.3.68ではPICのタイマー機能timer0を活用しています。timer0で正確な1msecを作り、これをトリガーとして1msec周期のループで計測処理を行っています。この場合、ループ内のプログラムを変更した場合でもループ内の処理時間が1msec以内で有れば、ループ周期1msecに影響を与えません。その結果、時間の無調整化を実現出来ます。
 本回路のプログラムでは、モーターがONの時のループ内の処理時間は300μsec程度でループ周期1msecより小さいため問題有りません。しかし、モーターがOFFの時は0.5秒毎にLCDの表示更新を行っているためLCD更新時のみLCDの処理時間がトータル50msec程度掛かり、ループ周期1msecをオーバーしてしまいます。その結果、処理時間50msecの間は放電容量の計測が不可能となります。ただし、モーターOFFの場合は電流が ほぼ0のため放電容量の計測誤差は ほとんど無く問題は無いと考えています。(仮に時間に対して一定の電流が流れている場合には、10%(=(50msec/500msec)×100)程度小さい放電容量を計測する事にになりますが、モーターOFF時については電流値が小さいため長時間モーターをOFFにしない限り計測誤差(全体の放電容量に対する割合い)は非常に小さく問題は無いと考えられます。)また、モーターをONにしてからの経過時間の計測についてはLCD処理部分での処理時間50msecを経過時間に加算して経過時間の誤差の発生を防止しています。従って、LCD表示部分のプログラムを変更する場合(LCDの処理時間が変わる場合)は、処理時間50mecを変更後のLCD処理時間に変更し、経過時間のズレが発生しないようにする必要が有ります。

PIC18F14K50の残メモリーが300Byteしか無い!

 現在は、PIC18F14K50(メモリー:16KB、EEPROM:256Byte)を使用しておりますが、Ver3.65で残メモリーが300Byte程度しか有りません。今後、機能を追加した時点でメモリー不足が生じた場合は、PICを変更の予定です。次候補として、PIC18F26K22(メモリー:64KB、EEPROM:1024Byte)を予定しています。
 PIC14K50用Ver3.65のプログラムをPIC18F26K22用として移植してみましたが特に問題無いようです。各レジスタの設定とポートの変更をするだけで動作しました。プログラム自体は変更無しでOKでした。PIC18F26K22の場合、メモリー使用量が16KB、残容量が49KBですので、小数点の計算等を多用しない限り当分は大丈夫だと思います。

デバッグ用評価基板とLCD
 

64KBのメモリーを搭載するPIC18F26K22

PCBレイアウト 「更なる小型化 Rev1.30」 Ver.3.61版

 部品配置が まだスカスカ状態なので手配線でレイアウトを変更し、更に小型化(65×32mm → 59×32mm)しました。ヘリに搭載する事を考えて小型化を進めて来ましたが、ようやく許容範囲の大きさになったように思います。


更に小型化した59×32mmサイズの基板


ハンダ面のジャンパ線は3本実装
 
 以前、自動レイアウトを利用する事でジャンパを2本まで減らしたと記載致しましたが、上記写真はジャンパが3本実装されています。これは、自動レイアウト後に、アラーム表示用LEDの配線をLCD用コネクタに割り当て、PICからコネクタまでをジャンパ1本で追加配線したためです。
 感光基板の現像の話なのですが、サンハヤト社のスプレー式現像液DP-M500は現像が速いです。吹き付けてから1分位でパターン(未露光部)まで消失。。。基板一枚お釈迦状態・・・ 気温が高いからだとは思いますが、現像時間は10秒前後で十分のようです。

 PCBレイアウト「基板の小型化およびジャンパ本数の低減」 Ver.3.61版

 以前の記事「感光基板仕様PCBレイアウト Ver.3.61版 」で記載したように、感光基板を用いてPCBレイアウトを行ったところ、基板サイズが75×47mmとかなり大きくなり、部品面のジャンパ数も14本(ジャンパを減らす事は考慮せず)と多くなってしまいました。。。ユニバーサル基板を用い全てジャンパで配線した場合60×30mmですので面積比で何と約2倍です。 何とか小さくしたいし、ジャンパを減らして もっとカッコ良くしたい!・・・ということでPCBレイアウトを見直しました。といっても今回は自動レイアウトを利用しています。使用したPCBレイアウトソフトは「DesignSparkPCB 5.0」です。自動レイアウトの際には、ジャンパ数が 極力減るよう自動レイアウト関連のパラメータ値を変更し、一日かけて地道に減らしていきました。。。その結果、自動レイアウトを利用することでジャンパ数を「2本」にまで減らす事が出来ました。基板サイズも従来の75×47mmから65×32mmに小型化、面積比で41%減です。(ちなみに、最初に製作したユニバーサル基板のバージョンと比較した場合、まだ若干大きく面積比で16%増です。ただ、見た目にはユニバーサル基板と ほぼ同サイズという印象を受けます。)なお、DesignSparkPCB 5.0での自動レイアウトの際には、部品間隔が狭い(部品の実装密度が高い)とジャンパ数が減りませんでした。ある程度 部品間隔を離した状態で自動レイアウトを実行するとジャンパ数が2~5本と少なくなる事が多くなります。このため、基板の小型化は、部品間隔を離した状態で自動レイアウトを実行し、ジャンパが数が目標に達した後に「手動」で部品間隔を狭め かつ 若干のレイアウト変更を行って対応しています。
 (他に もっと良い方法が有るのかも知れませんが・・)

自動レイアウトの設定値
 
 ジャンパ数を減らすにはMax Effortは2~4、Passesは最大の99が良さそうでした。他は初期値のままです。MiterTrackにチェックを入れておくと自動レイアウトの後に各パターンの90度の折れ曲がりを斜め45度に処理してくれます。なお、上記のパラメータとは関係無いのですが、一部の部品位置をわずかに変更しただけでも自動的に生成されるパターンが異なるためジャンパ数は変化します。部品位置をちょこちょこと変えて多くのパターンを試して見るとその内に「当たり」のパターンが生成されてジャンパ数が極端に減る場合が有ります。
 自動レイアウトの際のパターン幅は、PICのピンとピンの間に一本パターンを通す事が出来 かつ パターン間のスペース(ギャップ)が0.3mm程度確保出来るよう「0.4mm」にしています。



自動レイアウトを活用した場合のパターン
 
パターン幅は電源ラインも含め全て0.4mmです。信号の周波数が高々数kHz程度のため電源ラインのインピーダンスは未考慮です。自動レイアウトは配線ミスは無いのですが、遠回りのパターンが結構見受けられます。今回は特に気になる部分を除き修正していません。
 
 
 
 
65×32mmに小型化された基板の部品実装写真
 ジャンパ線は基板の裏面(ハンダ面)側に実装しています。部品の実装密度は、まだ高いとは言えない? 幅方向の65mmは小型化の余地が有りそうです。
 

感光基板仕様PCBレイアウト Ver.3.61版

 何十年かぶりに感光基板を使って基板を作ってみました。慣れない事をやると混乱してイライラしてしまいましたが、何とか完成! それにしてもPCでパターンを書くのは面倒ですね。露光するまでは暗い中、時間を気にしながらの作業になるので あせってしまいました。それから、パターンを書いたフィルムが基板に密着しているか否か念入りに確認する必要が有って、結構疲れます。。。結局、もう一枚の基板はガラス板を乗せてフィルムを密着したつもりだったのですが少し浮いてしまったようでパターンが細くなってしまいました・・・

最初は、ドリルで穴をあける時の位置合わせが難しく時間が掛かったのですが、最後の方は慣れて来て1枚20分位で出来るようになりました。


ジャンパが14本も有って、しかも斜めに走っているのでカッコ悪いです。基板も片面パターンなので75×47mmと大きいです。ユニバーサル基板を使って極細電線でジャンパ配線した方が はるかに小さく(60×30mm)、面積で半分程度になる事が分かりました。次は基板の大きさを小さくし かつ ジャンパを減らすにはどうしたらいいか考えてみたいと思います。

BECにて本回路と受信機系の電源を供給する場合の電流センサーの出力電圧チェックと電流測定の基準電圧値について

 アンプ内蔵BECにて本回路と受信機系(サーボ、ジャイロ等含む)に電源を供給する場合、本回路、受信機系およびアンプの電源が同時にONとなります。この場合、電流センサーに通しているアンプの+ケーブルに、アンプの電流、モーターを使用したアンプの起動音電流、受信機、サーボ、ジャイロ等の電流が同時に流れ、電流センサーが、この電流を検知することになります。本回路の電源をONにした直後に「電流が流れていないという前提」で電流センサーの出力電圧の正常/異常をチェックするのですが、この時に上記のような電流が流れていると電流センサーの出力電圧が上昇し電流値によっては電流0での正常電圧範囲(電流センサーMCS-MD10019の仕様±50mV、電流で±2.6アンペア(A)相当)を超えてしまう事が有ります。正常範囲を超えると電圧異常のエラーが発生し放電容量の計測が出来なくなってしまいます。なお、外付けBECの場合においても、アンプの電流、モーターを使用したアンプの起動音電流が流れるため同様な問題が発生します。
 対策としては、唯一 正常電圧範囲±50mVを拡大するしかないと考えられます。例えば±100mVにすれば±5.2Aまで、±200mvにすれば±10.4Aまで許容可能です。余り大きくするとチェックの意味が無くなるため、せいぜい±100mV(±5.2A)が上限だと考えています。
 ちなみに、T-REX250SEにキャッスル社のPHOENIX25を使っているのですが、ピロロ・・・という起動音発生時に大きな電流が流れるようです。このため、電圧チェック時に この起動音が重なると大きな電流が流れるため電圧異常のエラーが出てしまいます。このアンプに限定した対処法ですが、アンプの起動音が鳴り終わる500msec以降に電圧チェックを行うようにしています。(現状は1秒後に設定) それからPHOENIX25の場合、前記のアンプ起動時のピロロ音に加えて、最大電流発生時の経過時間からタイミングを推測すると「モーターの起動可能を知らせるピロロ音発生時」と「モーター起動時」に30~40A程度の大きい電流が流れるようです。リポが850mAhと小型のため35~47Cもの大きな電流となり本回路の低電圧アラーム(<3V/セル)が作動してしまう事も有ります。また、最大電流が測定された時の経過時間は 常に0分00秒(モーター起動時にタイマースタートする仕様)なのでピロロ音発生時か最初のモーター起動時に計測されていると考えられます。(PHOENIX25ではオートロ解除モードを設定しているせいか、2回目以降のモーター起動時の電流は、最初のモーター起動時の電流より小さくなるようです。)
 ということで、アンプによってはアンプ起動時等のモーター停止時においても非常に大きな電流が瞬間的に流れる場合が有るようです。
 それから、電流センサーの計測電流が0A時の電流センサーの出力電圧を電流測定の基準電圧に設定しています。このため、上記のような瞬間的な電流が流れている状態で基準電圧を設定してしまうと測定電流の誤差が非常に大きくなります。例えば30A流れている時に基準電圧を設定した場合には、測定電流から30Aを引いた値が実際の測定電流となります。つまり30Aまでの電流が測定されなくなってしまうのです。これは放電容量mAhの測定にも大きな影響を与えますので重要な問題です。
 以上述べた理由からBECの使用は対応不可にした方が賢明なのかも知れません。
本来は、動力用バッテリとは別に受信機系&本回路用のバッテリーを用意し、①受信機系と本回路の電源をON、②本回路が電流測定の待受画面になった時点で動力用バッテリーをアンプに接続 という手順になります。

モーターON/OFF信号検出部の抵抗値の変更 200 Ω → 2.4 kΩ

 以下の回路図の赤文字で示すように、モーターON/OFF信号検出部の抵抗値200Ωを2.4kΩに変更の予定です。(PICの12番ピンに接続された抵抗値の変更) 変更理由は、電流センサーKOTEC MCS-MD10019の出力接続先の交流(モーターのスイッチング周波数8kHz程度)での入力インピーダンスを大きくし、電流センサーの出力回路の負担を軽減するためです。電流センサーの直流の出力電流の最大定格値は2mAです。一方、交流では出力電流(出力接続先の入力インピーダンス)の規定が無いのですが、交流においても直流での最大値の2mAを超えないようにした方が良いと考えられます。電流センサーの検出電流が120Aの時、電流センサーの出力電圧は4.78V(2.5V+0.019V/A×120A)。この時に2mAとなる抵抗値は、コンデンサのインピーダンスを、ほぼショート(0Ω)とした場合、4.78V/2mA=2.39kΩです。よって、2.4kΩを選択の予定です。ただし、2.4kΩにした場合、本抵抗とA/Dコンバータの1MΩ程度の入力インピーダンスとの抵抗分割による6mV程度の電圧降下によって、モーターONを検出する電流値が0.3A程度大きくなります。2.6Aが2.9Aになりますが、この程度は問題無いと考えています。
 また、2.4kΩに変更する事でリップル除去用のコンデンサ11μF(10μF+1μF)との時定数が2.2→26msecと大きくなってしまいますが、リップルを除去率が大きくなるため、コンデンサの容量値は変更しない予定です。ただし、電源ON時に電流センサーの出力電圧が正常か否かをチェックする際に上記時定数が大きくなっている関係で検出部の電圧が立ち上がり切れずに低電圧エラーが出てしまいます。このため、500msecのディレイを掛けた後に電圧チェックする必要が有ります。テストでは50msec以上有ればエラーは出ませんでしたがマージンを考慮し500msecとしています。
 実は電流センサーの負荷となる抵抗200Ωを2.4kΩに大きくすることで電流センサーの出力回路の交流電流が減少し電流センサーの出力回路部での電圧降下が小さくなる事で動力モーターの最大電流の測定精度が向上し、結果として最大電流の測定値が大きくなるのを期待していたのですが、実際は余り変化が有りませんでした。ノーマルモードのホバリングで37A、フルピッチアップ時に、ノーマルモードで84~97A、アイドルアップで87~94Aでした。この電流値は抵抗変更前の値と同じか、若干大きいか?位の印象です。

300クラスのヘリの場合は放電容量の計測開始アラームON時間が長くなる

 300クラスのヘリに本回路を使用した場合、放電電流が数アンペア(A)程度のため放電容量の計測開始を知らせるアラームが長い時間ONとなってしまいます。
これは、約55mAh消費する間アラームがONとなるようにしているためです。

 アラームがONとなる時間は、放電電流が4Aの場合で約50秒間(300クラス)、同8Aで約25秒間(400クラス)、同16Aで約12秒間(500~700クラス)です。
300クラスだと長く感じてしまいます。アラームONの長さを時間で制御すれば、放電電流に依存させないようにする事も出来ますが放電電流に比例して正常に動作しているという事を確認する意味では一定の放電容量を消費するまでONとする方が良いように思います。

ということで、300クラスのヘリの場合は上記の問題は目をつぶっておこうと思っています。

設定セル数の間違いを警告する機能の追加 (予定)

 動力用リポの設定セル数が実際に接続されるリポのセル数と異なる場合に「リポの過放電の防止」を目的にアラーム機能を設ける予定です。
 例えば、リポの設定セル数が3セル、接続されるセル数が4セルの場合で考えます。満充電での電圧は、3セルが4.2V/セル×3セル=12.6V、4セルが4.2V/セル×4セル=16.8Vです。設定セル数が3セルの状態で4セルを接続すると3セルより4.2V高い電圧が本回路に印加されます。この状態でフライトすると放電容量が以下のようになります。

放電容量とリポ電圧との関係
【条件】
設定セル数:3セル
設定放電容量:3250mAh(4.1667V/セル時、残容量95%程度)

放電容量 = (リポ電圧 - 11.0V) × 2167mAh

4セルのリポ電圧16.8Vを上式に代入すると、

放電容量 = (16.8V - 11.0V) × 2167mAh = 12568mAh

と、設定放電容量3250mAhの4倍近い12568mAhが実際の放電容量にセットされます。その結果、アラームが鳴る前に リポが過放電状態になってしまうのです。

上記の問題を解決するために、アラーム設定電圧 = 設定セル数 × 4.2V + 1.0V(注1)を超える電圧が印加されると「設定セル数が間違っている」という旨のアラームを発するようにします。

(注1)設定セル毎に、この値1.0Vを変更すれば下記の「アラームONとならない電圧V/セル」を下げる事が出来ます。1.0Vの場合には12セル時に4.2833V/セルまで許容しています。 この記事を書いていて気が付きました! アラーム設定電圧 = 設定セル数 × 4.2833VにすればアラームがONとならない電圧V/セルを下げる事が出来そうです。>出来ました。本記事の最後に追記しておきます。

ただし、接続したリポの充電状態によってはアラームがONとならない場合が有ります。アラームがONとならない電圧を各セル毎に以下に記載致します。

設定セル数 実際に接続したセル数 アラームONとならない電圧V/セル 判定(注2
   3            4                  < 3.40          〇

   4            5                  < 3.56          〇

   5            6                  < 3.67          △

   6            8                  < 3.28          〇

   8            10                   < 3.46          〇

  10             12                      < 3.58          〇

  12             14                   < 3.67          △

(注2)判定条件 
 ≧ 3.70V: ×
3.60 ~ 3.69V: △
≦ 3,59V: 〇

上記において、通常のフライトでの放電後のリポ電圧がで3.70V以上/セル(残容量15%以上)とした場合、このリポを充電せずに間違って接続したと仮定した時に影響が有りそうな設定セル数は5と12セルです。設定セルが5および12セルの場合、アラームがONとならない電圧が3.67V以下と放電後の電圧の最小値3.70V/セルに近い電圧となるため注意が必要です。これ以外のセル数は3.5V台以下のため通常の放電状態3.70V以上/セルのリポの場合はアラームは確実にONとなりますので問題無いと言えます。

 また、設定セル数7, 9, 11セルを設定セル数から除外している理由は、アラームがONとならない電圧が3.70V以上/セルになってしまい設定セル数が間違っていてもアラームが鳴らない場合が出てくるからです。なお、7, 9, 11セルのリポは通常販売されていない(使用しない)セル数なのでセル数を設定出来なくても問題無いと考えています。

追記:
アラーム設定電圧 = 設定セル数 × 4.283Vにした場合

設定セル数 実際に接続したセル数 アラームONとならない電圧V/セル 判定(注2
   3            4                  < 3.21          〇

   4            5                  < 3.43          〇

   5            6                  < 3.57          〇

   6            8                  < 3.21          〇

   8            10                   < 3.43          〇

  10             12                      < 3.57          〇

  12             14                   < 3.67          △

(注2)判定条件 
 ≧ 3.70V: ×
3.60 ~ 3.69V: △
≦ 3,59V: 〇

設定セル数5の時に<3.67が<3.57に下がり判定△が〇になりました。その他、12セル以外の設定セル数でも少しずつ低い電圧になっています。
結論:アラーム設定電圧 = 設定セル数 × 4.283Vとします。

2セル受信機用リポの低電圧アラーム電圧 設定機能追加 (予定)

 現行バージョン3.10の2セル受信機用リポの低電圧アラーム電圧は<6.0Vですが、2セルリポ以外のバッテリーを使用できるようにするため本回路の下限動作電圧の<5.3Vにアラーム電圧を変更の予定です。(本回路への供給電圧が正常か否かを判断します。) 
 また、本回路の電源をONにした際にチェックされる受信機用バッテリー電圧のアラーム電圧を現状の<7.5Vの固定値から5.3~8.4Vの範囲で設定できるよう変更の予定です。この場合、2セルLiFe、5セルNiCd/NiMh、BEC(5.8~8.4V)等も使用可能になります。御期待下さい。

 【受信機用バッテリーアラーム電圧5.3~8.4V設定方法】
1) 「ホウデンヨウリョウセンサー」の画面が表示されている時にフライトカウントリセットスイッチを押したままにする。
2) 放電容量とセル数設定画面が表示されるが、そのまま放置。
3) アラーム電圧設定画面(レシーバー アラーム セッテイ)が表示される。
4) フライトカウントリセットスイッチを押してアラーム電圧を設定(5.3~8.4V、0.1Vステップ)
5) スイッチを押さない状態が5秒間続くと、設定したアラーム電圧が保存される。

動力用リポのセル数設定機能追加 (予定)

 現行仕様Ver.3.10の場合、使用できる動力用リポのセル数は12セルのみです。需要によってはセル数の設定機能を追加の予定です。この場合、対応セル数は1~12セル、1セルステップで設定出来るようにする予定です。
追記:対応セル数は3, 4, 5, 6, 8, 10, 12セルに変更の予定です。1~2セルの場合、動力用リポの電圧が低くなるため本回路での電圧の読み込み精度が低下してしまうからです。ちなみに、本回路は80mVステップでの読取りです。また、7, 9, 11セルについては、通常使用されないセル数であるという事と、「設定セル数」が実際に接続されるセル数より小さくなっている場合に「設定セル数が間違っている!!」というアラームを出す関係上対応しない事にしました。このアラームについての詳細は別記事に記載予定です。2013.7.6記

【備考】
セル数を変更する場合に考慮しなければならないことは、

①動力用リポの定電圧アラームをセル数に応じて変更。
12セルの場合は、<36VでアラームON(現行仕様)
8セル:<24V、6セル:<18V、4セル:<12V、3セル:<9V、2セル:<6V、1セル:<3V

②最大電流時の動力用リポ電圧値のEEPROMへの保存電圧範囲の拡大
現行仕様31.2~51.0V を 0~51.0Vに変更

③動力用リポの無負荷電圧に応じて放電容量mAhを設定する機能で基準の動力用リポ電圧(放電容量7mAhとなる電圧)の変更
現行仕様12セル:44V(3.667V/セル)基準 (放電容量設定値7mAh、以下同)
8セル:29.34V(3.667V/セル)基準
  ・
  ・
2セル:7.33V(3.667V/セル)基準
1セル:3.667V基準

※ 3.667V×セル数を基準電圧とする。

④満充電時の設定放電容量範囲の変更(現行50~5000mAh)
400クラス以上のヘリを想定した場合、3セル/2000mAh以上程度のリポが使用されるため満充電時の設定放電容量範囲の最小値を1000mAhとする。変更後の設定範囲は1000~5000mAh。(容量が80~100mAh程度の低容量のリポを使用した場合を想定し放電容量を50mAhまで対応した場合、③で記載した基準電圧時の放電容量7mAhが満充電時の放電容量値(80~100mAh)に対し比率的に大きくなるため過放電の問題が発生する。)ただし、基準電圧時の放電容量7mAhを満充電時の放電容量に応じて変更すれば、この問題を回避できる。(実際には、1000mAh以下の低容量リポが使われる事は有りえないため、7mAhの固定値で良いと考えている。)
追記:上記の満充電時の設定放電容量範囲50~5000mAhは変更しない予定。使用可能動力用リポの容量を500~6000mAhに限定(500mAh未満の低容量リポの使用を排除)することで上記問題を回避します。2013.7.6記

⑤セル数設定方法
1) 「ホウデンヨウリョウセンサー」の画面が表示されている時にフライトカウントリセットスイッチを押したままにする。
2) 放電容量設定画面が表示されるが、そのまま放置。
3) セル数設定画面(セルスウ セッテイ)が表示される。
4) フライトカウントリセットスイッチを押してセル数を設定(1~12セル)追記:上記理由から設定範囲は3, 4, 5, 6, 8, 10, 12セルに変更の予定 2013.7.6記
5) スイッチを押さない状態が5秒間続くと、設定したセル数が保存される。

動力用リポの過放電防止回路の製作を承ります。

 動力用リポのフライト中の過放電を防止する事が出来る「放電容量センサー回路」の製作を承ります。製作の御依頼と最新版の仕様の詳細はこちらから御願い致します。
 主な仕様を以下に記載致します。詳細の仕様については「放電容量センサー回路」を御覧頂くか、コメントにて御問い合わせ下さい。

★放電容量センサー回路の仕様(Ver3.68)★

【主な機能】
①動力用リポが無くなる(設定した容量mAhを使用する)とプロポ側でテレメトリーを利用しバッテリーアラームを鳴らすことが出来ます。(注1) 結果、うっかりミスによる高価な動力用リポの過放電を防止出来ます。なお、ヘリのフレーム等に取り付けるアラーム表示用のLEDは配線の引き回し等の問題から未搭載とします。ただし、御希望が有れば搭載する事も可能です。
(注1)動力用リポが無くなると本回路の制御にて見かけ上の動力用リポの電圧をプロポ側で設定されたアラーム境界電圧38Vより下げる事でアラームを鳴らしています。

②動力用リポの充電状態は問いません。残容量を自動検出しているためストア状態でもフル充電状態でもフライト可能で、リポが無くなるとアラームを発します。また、間違って充電し忘れたバッテリーを繋いだ場合でも過放電を防止出来ます。この場合は、モーター起動後直ぐにアラームを発して警告します。ただし、例えば6セルのリポを2本直列にして12セルで使用する場合、各々の6セルのリポの電圧は同じ電圧(充電状態が同じ)でなけれななりません。

③満充電時の放電容量mAhの設定範囲
50~5000mAh。50mAhステップで設定可。
(設定例)
容量が5000mAhのリポを使用している場合に、残容量35%(0.35)でアラームを鳴らす場合。
5000mAh × ( 1 - 0.35 ) = 3250mAhに設定。

④フライト中のモーターの最大電流値(アンペア)と、最大電流となった時の経過時間および動力用リポの電圧を液晶に表示する事が出来ます。最大電流は100アンペアまで測定可能です。(精度未保証時の最大定格は120アンペア)

⑤フライト回数(0~9999回)を液晶に表示する事が出来ます。アラームが鳴った時点でカウントされます。リセットも可能です。

⑥フライト後のモーター停止中にモーターの温度を測定する事が出来ます。測定範囲は-40~+124℃です。

⑦モーター停止中に現在までの放電容量mAh(0~9999mAh)を表示する事が出来ます。(Ver3.65で追加)

⑧フライト開始前(モーター起動前)に動力用リポを接続した際に、動力用リポの電圧値に応じた設定放電容量mAh(アラームがONとなる放電容量mAh)を表示出来ます。フライト前に、どの程度の放電容量(mAh)でアラームがONとなるかを確認する事が出来ます。(Ver3.68で追加)

⑨モーター停止中に本回路の液晶に「受信機用バッテリー」と「動力用リポ」の電圧を表示する事が出来ます。(プロポのテレメトリー画面でも表示される内容です。)

⑩受信機の電源をONにした際に、受信機用電源(本回路への供給電源)の電圧が設定されたバッテリーアラーム電圧5.3~8.4Vを下回る場合アラームを発します。また、本回路が動作中に本回路への供給電圧が5.3V以下になると本回路の動作が不安定となることからアラームを発します。
 なお、5.3V以下になった時点で直ぐにアラームをONとするか、5秒間連続して5.3V以下になった時点でONとするかを設定出来るようにしました。「直ぐにアラームをON」にした場合において、3Dフライトの急激なピッチアップ等でアラームがONとなってしまう場合は、「5秒間連続して5.3Vになった時点でON」に設定を変更します。(Ver3.68で追加)

⑪モーター起動中に動力用リポの電圧が3.0V/セル以下になるとアラームを発します。
 なお、3.0V/セル以下になった時点で直ぐにアラームをONとするか、5秒間連続して3.0V/セル以下になった時点でONとするかを設定出来るようにしました。「直ぐにアラームをON」にした場合において、3Dフライトの急激なピッチアップ等でアラームがONとなってしまう場合は、「5秒間連続して3.0V/セルになった時点でON」に設定を変更します。(Ver3.68で追加)

⑫非接触式の電流センサーを使用しているため、電流センサーをアンプのプラスケーブルに通すだけでOKです。電流センサーが破損した場合でもモーターはストップしませんので安全です。

⑬電流センサーが正常か否かを電源ON時に自動診断します。

⑭モーター起動直後、動力用リポの容量を監視している旨を知らせるために数秒間アラームを発します。

⑮本回路の大きさW65×D30×H20mm程度。液晶部の大きさはW85×H30×D10mm程度。全重量80g程度。リポのバッテリアラーム機能のみ利用する場合は、液晶ディスプレイは外した状態でも使用可能です。この場合、全重量55g程度です。

⑯消費電流(常温での実測値)
定常時:約18mA
設定放電容量mAhを使用し、アラームがONとなっている時:約18~最大30mA
(小さいので特に気にする必要は無いと思います。) 

【対応プロポ】
Futaba社製 18MZ、14SG(テレメトリー方式のプロポに対応)

【対応受信機】
Futaba社製 R7008SB
(外部電圧入力ケーブルCA-RVIN-700が必要。また、本回路へのハンダ付けが必要です。)

【対応受信機用バッテリー】
2セルLiPo、2セルLiFe、5セルのNiCd/NiMhに対応。BECから供給する場合、5.8程度~8.4Vで使用可能。(注) 
※2セルLiPo/LiFeの電圧6.0~8.4Vをレギュレーター等で4.8~5.7V程度に落として受信機(サーボ、ジャイロ含む)の電源として使用している場合は、2セルLiPo/LiFeの電源スイッチの出力コネクタを2分配し、片方の出力コネクタをレギュレータの入力コネクタに、もう片方の出力コネクタを本回路の電源コネクタに接続して下さい。
(注)追記2:電圧が5.8程度~8.4Vで有ればアンプ内蔵および外付BECから本回路に電源を供給する事も可能です。ただし、動力用リポとアンプを接続するコネクタ部分の結線に少し工夫が必要です。詳細は以下の結線図を御覧下さい。なお、結線図をクリックして頂くと拡大されて見易くなります。2013.10.8追記





 


【対応動力用リポのセル数】
3, 4, 5, 6, 8, 10, 12セルに対応。

【対応動力用リポの容量】
500~6000mAh程度

【部品代および製作費】
実費部品代8,000~9,000円程度。少々御高いですが、6セルのリポ2本を過放電させて駄目にするよりは安いです。
(内、電流センサーKOTEC MCS-MD10019が高価で5,180円 +送料680円=計5,860円)
製作費:0円(ボランティアです。万能基板にジャンパ線にて製作の予定です。 本回路専用の基板を用いて製作致します。)
送料:着払い実費

【アフターフォロー】
使用方法等フォローさせて頂きます。修理も部品代+実費送料のみでOKです。プログラムアップデートの際には最新版を本ブログにアップ致します。PICkit2等のROMライターをお持ちでない方には最新版のプログラムを書き込んだ部品(PIC18F14K50)をお送りする事も出来ます。この場合、御自身でこの部品を交換(ICソケットに実装済みの部品を外してお送りした部品に付け換え)して頂く必要が有ります。
 また、多少でしたら御希望の仕様への変更も御受け致します。

【その他】
疑問点等ございましたらコメント欄から御連絡頂ければ幸いです。なお、コメント内容は当方が承認しない限りホームページ上には表示されませんので御安心下さい。(頂戴したコメントは御希望が無い限りホームページ上に表示しないように致します。)

【外観図】
下記写真をクリックして頂くと拡大されて見易くなります。
※写真に写っている外部電圧入力ケーブルCA-RVIN-700は付属しませんので別途御用意下さい。また、外観は予告無く変更する場合が有ります。


【過放電防止回路本体】
※従来は上の写真の様に汎用基板を利用しておりましたが、今後は製作の手間を考慮し下記の様な専用基板を使用して製作致します。

今後使用する本回路専用基板 2013.10.9記


【液晶ディスプレイ】


【電流センサー】


【上から温度センサー、アンプ接続ケーブル+-、外部電圧入力ケーブル】


【結線図】
下記画像をクリックして頂くと拡大されて見易くなります。
追記:(注)動力用リポをアンプに接続する際に、突入電流(スパーク)の影響で動力用リポの電圧が一時的に低下する事で本回路で設定放電容量を決定するために必要な動力用リポの電圧の読取りに誤差が生じ、正規の容量より低い放電容量が設定されてしまう事が可能性として考えられます。この場合は、上記BEC用結線図記載の様に「コネクタ2」と「5オーム程度の抵抗」を取付けるようにして下さい。なお、JETI社のアンプ(JETI SPIN 125 OPTO等)の場合、次の様に接続する事で上記問題を回避する事が出来ます。JETI SPIN 125 OPTOのアンプからは2本の+(赤)ケーブルが引き出されています。1本は細いケーブル、もう一本は太いケーブルです。電流センサーは、アンプから出ている「太い」方の+ケーブルに通します。動力用リポへの接続の順番は、まず最初に、アンプから出ている「細い」方の+ケーブルを動力用リポに接続します。その後、アンプから出ている「太い」方の+ケーブルを動力用リポに接続します。2013.10.29追記
 
 
 
※レギュレーターを使用している場合
下記結線図のように2セルLiPo/LiFeの電圧6.0~8.4Vをレギュレーター等で4.8~5.7V程度に落として受信機(サーボ、ジャイロ含む)の電源として使用している場合は、2セルLiPo/LiFeの電源スイッチの出力コネクタを2分配し、片方の出力コネクタをレギュレータの入力コネクタに、もう片方の出力コネクタを本回路の電源コネクタに接続して下さい。




【放電容量センサー回路の液晶ディスプレイ部(エアスキッパーE12搭載例)】

ブログを開設しました。(FC2から引っ越しして来ました。)

ブログ開設しました。NVillageと申します。
実は、今までFC2でブログをやっていたのですが、色々と問題が発生するので、こちらに引っ越しする事にしました。ここでは、FC2のブログ「電動ヘリ JRエアスキッパーE12 情報ブログ ~NVillage~」に記載してきた内容の中から「電動ヘリ動力用リポの過放電防止回路」の製作記事を中心に記載していきたいと思っています。なお、「電動ヘリ JRエアスキッパーE12 情報ブログ ~NVillage~」のブログの方も引き続き更新していきますので、どうぞよろしくお願い致します。